今ここに訪れている貴方は、手術室に配属が決定された、もしくは配置転換になった看護師さんだと思います。
手術室に配属になって、どのように感じているのでしょうか。
大抵の看護師は、不安でいっぱいのように思います。
私は手術室経験が7年程度あります。
私も手術室に配属になったときは不安でしたが、今ではとても手術室看護師が大好きです。
今回は、私が手術室に配属になり行った、手洗い看護師(直接介助)の学習方法や学習の手順について話していきたいと思います。
これを実践していけば、貴方も手術室看護に好感と自身が持てるようになると思います。
また、学習方法を具体的に知っているだけで、良い結果が出やすくなり、短期間でコツがつかめるようになります。
それでは、最初は手洗い看護師の学習方法からみていきましょう。
手洗い看護師(直接介助)の学習方法の大切な4つのポイント
まず初めに、手洗い看護師が押さえておかなければいけない大切なポイントがあります。
それは、以下の4つです。
②手術で使用する器械を覚える
③手術の手順を覚える
④振り返りをする
人体の構造と機能(解剖)を覚える
上記の名称や機能を覚えることで、OPEの進行状況を把握でき、次の器械を前もって、準備することができ、気持ちに余裕が生まれます。
また、既存マニュアルと照らし合わせることで、立体的に頭でイメージすることができます。
今後、外回り看護(間接介助)を行うときにも役立ちます。
私は、文章を覚えることが苦手だったので、常に、自分自身で絵を書き覚えていました。
臓器や血管を絵に書くと覚えやすいので、一度試してみるのもお勧めです。
また、そこで血管などのドクターが良く使う略語も一緒に覚えてしまうと、OPEの時に不安になりません。
この略語は、病院のドクターにより違ったりすることがあるので、先輩に教えてもらうのが一番です。
余裕があれば、先輩にあらかじめ「○○のOPEでよく使われる略語を教えて下さい」と聞いて置くことをお勧めします。
手術で使用する器械を覚える
例えば、外科系ではケリー、ペアン、コッヘルなどです。
これらの名前を覚えなければ、手洗い看護師としての業務が成り立ちません。
また、手術単位や科によっても、器械が違ってきます。
なので、その都度、器械の名前と、機能について学習する必要があります。
最初は覚える器械が多いため大変ですが、何度も器械を触っているうちに自然と覚えることができますので、ポイントは何度も器械を触り、心の中で器械の名前をつぶやくことです。
プリセプターや先輩が、最初は器械に一度触れられるように配慮してくれ、説明をしてくれることがありますが、自分で率先して覚えるようにした方が、早く覚えることができます。
また、毎回新しい器械があるたびに自分自身で前もって器械を確認するようにすると、その積極的な姿勢が先輩や上司からの評価が良いです。
最初のうちに高評価をもらうとこも、今後のために重要なので、覚えておいて損はありません。
さらに、器械のカウントという重要な役割があるので、○○セットの中の器械の員数は必ず覚えておく必要があります。
手術が終了する前に必ず、カウントする器械の員数点検時、手術開始前の員数と違っていると、重大な医療ミスにつながる恐れがあります。
責任を持ち器械を管理することが大切です。
手術の手順を覚える
新しいOPEに入る前に手順を覚える必要があります。
これを怠ると、手術中に全く役に立たず、ずーっと辛く、苦痛の時間を過ごすことになります。
なので、毎回新しいOPEに入る前には、必ず手順を覚えるようにしましょう。
最初から、習慣化していくことが長く続く秘訣です。
手順の詳しい学習方法については、次の項目『手洗い看護師の学習の手順』で詳しく解説します。
振り返りをする
確かに、手術前の学習は大切ですが、終わったあと、OPE中に気づいたことやマニュアルに記載されていなかったことをメモに残したり、自分のしたことを振りかえることも重要です。
しかし、既存のマニュアルには、本当に基本事項しか、記載されていない場合がほとんどです。
なので、自分自身で独自のマニュアルを作成することで、他の看護師にはない、細かい配慮ができるようになり、ドクターや先輩からの評価もUPします。
これをすることで、今後の役に立つことは間違間違いありません。
手洗い看護師の学習の手順
手洗い看護師の学習の手順の重要ポイントは下記の3つです。
②手術中
③手術終了後の振り返り
1つの手術に入る手洗い看護師の学習手順をみていきましょう。
ある手術の1例を用いて話していこうと思います。
初心者の手洗い看護師が入ることが比較的多い外科のヘルニア根治術を例に挙げます。
心の中)勉強?具体的に何をすればいいの??
上記のような状況だと思います。
手洗いを見学しているということは、病院にある既存のマニュアルは持っているものと仮定します。
また、使用する器械についても、すでに学習しているものと仮定します。
ポイント1 事前学習
①既存のマニュアルに沿って勉強していきます。
②既存のマニュアルをみながら、見学してみたことや、教えてもらったことを思い出しながら、重要なところをマーカーで線引きしたり、メモをつけ足していきます。
例えば、手順の消毒→覆布かける→○○切開→○○剥離・・の部分と人体の構造(解剖)を照らし合わせ照らし合わせる際は、人体の構造がしっかり、わかりやすく描かれている教材(本)を選びます。
そうすることで、今どこの部分をしているかが、自分の頭の中に絵図として浮かび上がり、見学したときにみた光景と合致するはずです。
「あの時ここの部分を結紮して切離していた」などということがわかり理解できます。
③既存のマニュアルと教材(本)を、最初から最後まで照らし合わせながら、学習していきます。
④上記が理解出来れば、再度、既存のマニュアルの手術の手順を見返します。
消毒の場合➡消毒液と消毒用の鉗子が必要
○○剥離の場合➡剥離鉗子や電気〇スが必要
などと、覚えていきます。
一通り終わったら、事前学習終了です。
不安であれば、当日のOPEに入る前にもう一度、既存のマニュアルを見返すことをお勧めします。
ポイント2 手術中
えっと 次はこれで良かったかな?
手術中は、術野を必ず見るようにします。これは必須です。
特に最初は、器械を渡すことで精一杯だと思いますが、それでも、術野をみる癖をつけます。
そうすることで、事前学習した手順とリンクして、より的確に手順を理解することができるようになり、手洗いに自信が持てるようになります。
また、手順通りにいかない場合でも、術野をみていると、ドクターが次何を必要としているのかがわかり、臨機応変に対応できるようになります。
ドクターの好みもこの機会に直接知ることができます。
①Aドクターは3-0絹糸で結紮する
②Bドクターは2-0絹糸で結紮する
etc・・・
また、○○剥離するときの剥離鉗子の種類や鉗子の渡し方など、手術中しか知ることのできないことが、たくさんありますので、そのあたりを中心に覚えておくと良いです。
そして、覚えたことを、次の手術終了後の振り返りで活かしましょう。
ポイント3 手術終了後の振り返り
という気分になると思いますが、ここでは、まだ気は抜けません。
今日手術中に学んだことを忘れないうちに、既存のマニュアルに記載されていなかったことや、自分自身が大事だと思ったことを事前学習したマニュアルに追加します。
これを行っておくことは、とても重要な作業だといえます。
なぜなら、同じ症例ばかりを何度も経験できないことがあったり、期間があいてしまうと忘れてしまうため、この作業をしておくことで、後々、見返したいときや、手洗いの時に役立ちます。
是非、振り返りをする癖をつけてください。
まとめ
この手順通り行っている看護師は、そうでない看護師よりも格段に手洗い看護師の技術や知識が向上します。
それは、私が実際行ってきたことと、他の看護師が行っていたことを近くで見ていたからです。
最初は大変ですが、慣れてくると苦にならないので、是非、試してみてください。
実際に私の使用していた、参考になった本を掲載しておきます。
愛用していたもので、古い本ですが、手術の手順に合わせて、漫画で描かれており、大変使いやすかったです。