現在、日頃から看護学生として勉強や実習など精一杯頑張っていらっしゃると思います。
そんな中、来年就職される学生さんたちをさらに悩ます問題がありますよね。
それは、新人看護師採用試験ではないでしょうか。
最終学年に入ると実習や国家試験対策などで急に忙しくなりますが、さらに追い打ちをかけるようにやってきます。
私は、10年以上にわたり、大学病院からクリニックなどさまざまな病院の看護師として働いてきました。
その経験をもとに、今回は新人看護師の方限定で採用試験についてコツと対策を話していきたいと思います。
新人採用試験対策 病院により特徴が違う
看護師の就職先といっても、企業や病院、施設や保育園など多岐にわたります。
しかし、今回は、病院に特化して解説していきたいと思います。
病院も、大規模のところから小規模まで沢山あります。
どのようなところで働きたいと考えているのかを貴方の中で整理しましょう。
例えば『急性期看護を学びたい』『給料が良い』『福利厚生がしっかりしている』ところなど様々だと思います。
最初が肝心で、これを怠ると後々悩むことになります。
その理由を、詳しくみていきましょう。
病院へ就職を考えている看護師 病院の分類は大きく分けて3つ
病院の分類は大きく分けて3つあります。
それは下記の3つです。
①大学病院などの大規模病院
②総合病院などの中規模病院
③クリニックなどの小規模病院
①大学病院など大規模病院
大規模で、最先端医療、高度な医療や珍しい症例を取り扱うことが比較的多いです。実際に働いて思うことは、他の病院ではかかわることができない症例の看護ができる強みがあります。
また、研修なども積極的に取り入れて、定期的に行っているため大変勉強になります。
ただ、配属部署によりますが、採血や点滴などを穿刺する機会が総合病院やクリニックと比較すると少ないです。
一概にいえませんが、大規模なため採用人数も数百人のところがある印象です。
採用試験では、《書類選考》《筆記試験》《小論文》《面接》《ディスカッション》などがあります。
教育機関といっても過言ではないため、新人看護師を好む傾向があります。
興味のある方は試験を受けてみても良いと思います。
総合病院などの中規模病院
中規模で、主に一般的な症例を扱っていてどちらかといえば地域密着型です。
※特に特別な施設を併設していない限り学校で勉強した内容が活かせる場所ではないかと思います。
研修制度もありますが、大学病院に比べて少し少ないような印象です。
部署によりますが、採血や点滴などもある程度経験できると思います。
採用人数は、その施設により違ってきますが、約30~100人程度のとこが多いです。
採用試験は、《書類選考》《筆記試験》《小論文》《面接》などです。
クリニックなどの小規模病院
小規模で、主に外来診療を中心とした、入院施設は19床以下で地域密着型の病院です。診療科にもよりますが、採血や点滴の穿刺が沢山経験出来きます。
採用人数は施設の規模も小さいためごく少人数です。
試験は、その施設によりますが主に《書類選考》《面接》などです。
新人看護師にはあまりお勧めしません。
なぜなら、教育制度が充実していないからです。
就職したら即実践になる可能性が高く、根拠がわからないうちにルーチン化し業務に慣れてしまうため、中身のない看護師として育ってしまいます。
その結果、後輩ができても根拠を踏まえて教えることができなくなってしまうという最悪なパターンが出来上がってしまいます。
また、クリニックは小規模であり、外来から病棟がある場合は病棟など幅広い知識が求められるため、即実践力になる看護師を求める傾向にあります。
大規模や中規模の施設で経験を積んでから再就職することをお勧めします。
最初の病院選びの根拠が面接で失敗しない秘訣でもあります。
この時期はしっかりと貴方自身で考えるようにしましょう。
貴方の働きたいところが決まったら直接調べるようにしましょう。
新人採用試験の特徴を調べる方法
新人採用試験の特徴を調べる方法は、主に下記の2つの方法があります。
①就職説明会には絶対に参加する
②実際に経験した人に聞く
就職説明会には絶対に参加したほうが良い
特徴は就職説明会へ行ったときに、担当者さんが話してくれる内容をしっかりと聞くことです。
担当者さんは多くの採用希望をする学生を増やしたいのでアピールをしてくれます。
その内容こそがその病院の特徴で、最大のポイントです。
そこを踏まえたうえで、志望動機を考えましょう。
面接での対策もできますし、疑問に思っていることも直接質問できます。
また、面接時に就職説明会に参加したということで貴方の印象も上がり、貴方の発言の信憑性があがります。
実際に参加して働きたいところが変わったりもします。
筆記試験があるところは過去の問題の傾向を教えてくれたり、親切なところは実例を資料として配布してくれるところもあるくらいです。
時間に余裕がある限り、何か所か実際に参加してみてくださいね。
実際に経験した人に聞く
実際に就職した卒業生や働いた経験のある方に聞くのも良い方法です。
しかし、先輩にどんな問題が出たのかを訪ねても、覚えていないや曖昧な回答がほとんどのことが多いです。
過去に私も何度か訪ねたことがありますが、ほとんど上記のような回答でした。
終わってしまえば、すぐに忘れてしまいますよね。
逆の立場だったら、私も忘れてしまっています【笑】
そこで学校には、卒業生が残した資料があると思いますので、それを調べると具体的な内容を知ることができます。
新人採用試験で筆記試験がある場合
大事なことは、過去問題集を入手して傾向を把握すること。
これは貴方は大丈夫じゃないでしょうか。
学生生活で過去問題集を手に入れようとしない方はいないはずです(笑)
過去に受験などで何度も過去問題を解いてこられたと思います。
さらに、今現状専門分野で勉強しているため、知識は豊富だと思います。
就職試験では、余程倍率が高い病院でない限りは、基礎的な問題しか出ません。
看護師国家試験と同じように、落とすために作られている試験ではないというところが多い傾向です。
新人採用試験の面接のコツ
根拠を踏まえて質問に答える
一番最初の項目でも少し触れましたが、貴方が根拠をもって病院選びをしたならば、面接は合格をつかんだようなものです。
なぜなら、この病院で働きたいという思いを根拠を踏まえ話すことで、より説得力が増すからです。
日頃、学生生活で看護アセスメントを嫌というほど書いてきていると思います。
看護アセスメントは、根拠を踏まえアセスメントしなくてはいけませんよね。
その考え方と同じなんです。
実際に面接で質問されたことを知る
『この病院を選んだ理由』
『どうしてここで働きたいのか』
『どのような看護師になりたいか』
『希望した配属先と違っても大丈夫か』
『長所と短所』
『学生のときに嬉しかったことや辛かったこと』
『同期や先輩と上手くやっていけそうか』など
私は、上記のような質問を実際に受けました。
これをみて思いませんか?
いつも学校に通っているときに感じている事や貴方自身のことがほとんどです。
それ以外で『病院を選んだ理由』などでは、最初に考えた根拠がいかされる質問ですね。
根拠がしっかりとしていれば説得力が増し、この病院で働きたい思いが強く伝わります。
面接用のカンペは必要ない
面接対応のカンペ通りには進みません。
よくある例
面接前にカンペを作ってその文章を丸々覚えてくる学生や、試験会場でも順番が来るまで、カンペをみている学生をよくみかけます。
その内容をすべて話すと、「丸々覚えてきたんだな」ということが話し方で伝わってきます。
その行為は良い印象を与えませんのでやめたほうが良いです。
また、カンペの内容に頼りすぎているため、用意していない質問が来た時の様子が致命的で、今までの努力が一瞬で崩れます。
質問に対して、どのように答えるのかをまとめることは大切ですが、全くそのままを暗記していると棒読みになり、気持ちが入ってないように聞こえます。
一番良いと思う方法は、面接の質問をまとめて、しっかりと頭で理解することが大切です。
当日は緊張してしまうと思いますので何度も練習することをお勧めします。
一般常識は絶対に必要
なぜ面接をするのか。それは『貴方という人を知るためです』
これはどの職業でもあまり違いがないと思います。
看護師という職業は、常に患者さんと接する仕事なので、いくら頭が良くても一般常識がないとダメです。
年々医療業界も一般企業と同じように接遇が求められるようになってきており、入職時のオリエンテーションでも大規模の病院では必須の研修となってきているのが現状。
面接を待っている間や入室や退出する際にも気を抜かないようにしてください。
挨拶はしっかりとするように心がけることで、印象がずいぶん良くなります。
目と目をみながら素直に相手が聞こえる程度の声ではっきりと話し、時折笑顔を入れるとより効果があります。
新人採用試験時の服装はどうしたらよい?
服装に関しては、いろいろなサイトで取り上げられていますので、今回は軽く触れておきます。
一言で例えると、臨床実習に行っている髪型でスーツ着用していくと良いと思います。
リクルートスーツを着ることが一般的になっています。
どの規模の病院でも同じです。
小規模だからといってラフな服装はやめましょう。
髪の毛は黒髪に近いことが望ましいです。
まとめ
新人看護師の面接のコツや対策はつかめましたでしょうか。
最後にまめ知識です。
面接官は比較的、古風な考えの方が多いので、純日本風を心がけて面接を受けるようにしましょう。
合格されることを祈っています。